Top Message
トップメッセージ

取締役会長 Chairman 
加藤 時夫 
 取締役社長 CEO 
佐々木 拓郎

株主・投資家の皆様へ

平素より格別のご厚情を賜り心よりお礼申しあげます。ここに日東工業グループの2018年4月1日から2019年3月31日までの取り組みについてご報告いたします。

当業界におきましては、企業の設備投資は増加しましたが、機械受注の伸びが鈍化したほか、新設住宅着工戸数や民間非居住建築物棟数の動きは足踏み状態が続くなど、今後の動向に注視が必要な事業環境となりました。このような情勢下にあって当社グループは、設備投資需要の高まりから、標準品の売上が増加したほか、日東工業㈱単体の価格改定が売上・利益の増加に寄与しました。また、国内子会社の業績が概ね堅調に推移したほか、第4四半期より新たにグループに加わった北川工業㈱が売上増加に寄与した結果、増収増益の結果となりました。

なお、2019年4月1日より、加藤時夫を取締役会長Chairmanに、佐々木拓郎を取締役社長CEOに選定しております。

今後も、次世代のビジネスモデル構築を目指し、日東工業グループは挑戦を続けてまいります。
株主の皆様には、一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

お客様の未来に「新たな価値」を届けられる企業グループへ

Q1

業績は順調のようですが、グループを取り巻く経営環境についてお聞かせください。

当期は、堅調な国内の設備投資需要が追い風となり、コア事業である、分・配電盤とその部材の売上が増加しました。加えて、第4四半期から新たに連結子会社となった北川工業㈱の売上寄与もあり、売上高は当初計画を大きく上回り、過去最高となりました。

一方、利益面では、国内グループ会社の業績は概ね計画通りとなったものの、シンガポールの子会社であるGathergates Group Pte Ltdの業績低迷などから、当初目標にあと一歩及びませんでした。

また、新規事業として取り組んでいるEV・PHEV用充電スタンドは、政府の補助金の先細りもあり、しばらくの間は我慢が続く見通しです。しかし、今後の電気自動車・プラグインハイブリッド車の普及に伴いチャンスが広がっていくと考えています。

Q2
製品価格の改定が行われました。どのような効果が得られたのでしょうか。

昨今、各種素材の価格高騰や物流費の上昇は著しいものがあり、企業内部の努力のみでは安定的な生産とサービスの維持が困難な状況となりました。そのような状況を鑑み、主要製品の価格を13年ぶりに改定させていただきました。

価格改定は下期からでしたが、売上・利益ともに一定程度の効果を得ることができました。来期は通年での効果を見込んでいます。

また、価格改定によるマイナスの影響を定量的に把握することは難しいものの、設備投資需要を背景にその影響は最小限にとどまっていると推察します。引き続きお客様のご期待に応えるべく、コスト低減に努めるとともに、更なる品質、サービスの向上に努めていきます。

Q3
2020年度を最終年度とする中期経営計画の進捗をお聞かせください。

中期経営計画では「挑戦、次世代のビジネスモデルへ」という基本方針を掲げ、日東工業グループの持続的成長を実現すべく以下の新たな戦略・施策に注力しています。

❶ コア事業競争力の追求
❷ グローバル化
❸ 新規ビジネスの展開
❹ 生産体制・経営基盤の強化

まず、当社のコア事業である、分・配電盤とその部材の製造・販売は、「対応型ビジネス」「標準品ビジネス」という2つの仕組みが連動することで成り立っています。「対応型ビジネス」とは、お客様が抱える課題に技術・アイデアを提供し、その課題を解決していくビジネスです。一方、「標準品ビジネス」とは、カタログやWEBを通してお客様に商品を選定・注文していただくような売れる仕組みを作っていくビジネスです。この2つのビジネスを適切なバランスで運営することが当社の競争力の源泉であることから、その最適なバランスの確保に努めています。

海外事業と新規事業はやや苦戦を余儀なくされていますが、㈱大洋電機製作所と連携し、新たな制御盤市場の開拓が始まっているほか、南海電設㈱とともに設備リニューアルにおける提案力・対応力の向上に努めています。また、サンテレホン㈱が中心となって進める情報通信関連流通事業は着実な伸びを示しています。

生産体制については、徹底的な業務改革・製造改革を行うとともに、IoTやAIを導入するなど、働き方改革、人手不足に対応した生産体制の構築に取り組んでいます。また、経営体制については、意思決定スピードの向上に資する経営体制への変革やグループ間で経営資源を相互活用することに注力していきます。

そして、新たにグループに加わった北川工業㈱の寄与などもあり、中期経営計画の目標である「連結営業利益100億円」も射程圏内に入ってきました。

Q4
北川工業のグループ参加に加え、パナソニックやスタートアップ企業との連携も動き始めていますね。

北川工業㈱は、2019年1月に日東工業グループに加わりました。以前より、当社が製造・販売する遮断器やEV・PHEV用充電スタンドのノイズ対策、いわゆるEMC(電子機器が発する電磁波のノイズにより、機器が誤作動するのを防ぐ)対策などで関わりがあり、当社と親和性のある企業だと考えています。

北川工業㈱の主力製品であるEMC関連製品は、自動運転やコネクテッドカーを目指す自動車の開発に不可欠なものであり、最近では次世代通信規格5Gの開発でも注目を集めています。

電気に関連する市場において、当社事業とは異なる領域の事業を営む北川工業㈱との相互補完により、新たなビジネス機会の創出を目指していきます。両社の長所を伸ばす連携がどこまで可能なのか、グループ横断型の連携も含めしっかりと検討していきます。また、同社の海外売上比率は既に40%以上となっており、海外市場の深耕も大いに楽しみです。

当社は2019年3月にパナソニック㈱ライフソリューションズ社(以下、パナソニック)と生産分野において協業を開始することに合意しました。その内容は、当社グループの海外生産拠点であるタイのELETTO(THAILAND)CO.,LTD( 以下、ELETTO) で、パナソニックが販売するブレーカを生産し、供給するというものであり、生産は2019年度上期中に開始する予定です。本協業によりELETTOの売上および生産技術、稼働率の向上というメリットが得られます。今後も双方にWINWINの協業ができないか検討を続けていきます。

さらに、今まで世の中になかったサービスやIoT製品を世に送り出すために、スタートアップ企業との連携を開始しました。スタートアップ企業が有する斬新なアイデアやノウハウと当社リソースを組み合わせることで、新規事業を生み出せないかという観点から募集を開始し、既に数社との間で具体的な取り組みを始めています。新しい事業はリスクと裏表の関係にありますが、リスクばかりに目を奪われないよう、未来につながる新たなビジネス創出を目指しています。

Q5

防災への意識が高まっています。日東工業は防災関連製品にも積極的に取り組んでいますね。

自然災害が多発するわが国は、万一の災害に備え、防災意識を高めていかねばなりません。そして、電気はライフラインとして欠かせないものだけに、災害時においても安全・安心な供給が求められています。

先の東日本大震災における火災原因の過半数が電気関係の出火によるものとされています。その内容は、停電が発生し、その後電気が復旧した際に破損した電気ストーブや電源コードに電気が通ることが原因で発生する「復電火災」というものです。

当社は、その「復電火災」を予防するために、地震の揺れを感知して電気を遮断する「感震ブレーカー」の普及啓蒙活動に取り組むとともに、近隣自治体と「防災協定」を結び、地域社会のセーフティネットづくりに取り組んでいます。また、静岡県掛川市にて、地域防災システム実証プロジェクトに参画し、災害を想定した実証実験を進めながらデータの収集・分析を行っています。今後、そのデータを活用した新たな事業モデルの構築を図っていきます。

Q6

日東工業グループの今後の発展に期待を寄せる株主の皆様にあらためてメッセージをお願いします。

日東工業グループの強みは、一言でいえば総合力といえるかもしれません。当社の生産、開発、営業、物流ネットワークに加え、個性的な強みを持つグループ企業の結集により、その力は着実に高まっています。そして、これまで以上に総合力を高めていくためには、グループシナジーを最大化していくことが重要だと考えています。

当社は2019年4月に経営企画統括部を新設し、グループ各社との連携のあり方を再構築することで、更なる関係強化に努めています。そして、当社とグループ各社の関係だけではなく、日東工業グループ全体として必要な経営資源を適切に確保し相互活用することで、未来に向けた新たな挑戦を進めています。

また、日東工業グループには、海外子会社も増えてきました。付随効果として、「ダイバーシティ(多様性)」や「インクルージョン(一人ひとりの違いを価値あるものとする見方)」という人材活用の新たな基準を学ぶ機会も増えています。

企業の成長はまさしく人材にあります。日東工業グループに加わった一人ひとりと成長の機会をともにし、未来を切り拓いていければと考えています。

日東工業グループは、引き続き「堅実で持続的な成長」を目指し邁進していきます。今後とも、株主の皆様のご支援をよろしくお願い申しあげます。