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2023.05.15

オフィス空間改善

オフィス空間改善コラム その20:フリーアドレスで失敗する理由と防止策

フリーアドレスとは、オフィス内で個人の席が決められておらず、その都度、好きな席で作業できるワークスタイルのことです。
昼間は不在の社員が多い企業など、オフィスのスペースを効率よく使えることから、フリーアドレスを導入する企業が増えています。
しかし、フリーアドレスを導入して失敗した、という例も見受けられます。
どういうことが原因でうまくいかなかったのか、また、失敗しないためにはどういう点に注意すればよいのでしょうか。

今回のコラムでは、フリーアドレスで失敗する理由とそれを防止するための対策についてまとめました。

フリーアドレスで失敗する理由と防止策

導入目的がはっきりしていない

フリーアドレスを導入することが、自社の業務や労働環境の改善に本当につながるのかどうか、十分に検討されないまま、単に形だけフリーアドレスにしても、生産性向上にはつながりません。

防止策 ⇒ フリーアドレス導入の目的を明確にし、社員の理解を得て浸透させる必要があります。

社員の居場所がわりにくい

来客や電話などで連絡が必要な場合など、常に決まった席にいるわけではないため、咄嗟にその社員の居場所がわからずに困ることがあります。

防止策 ⇒ 社員それぞれの居場所がわかるシステムの導入や報告・連絡・相談が確実にできる仕組みをつくる必要があります。

指導がしにくい

固定席と違い、離れた席にいる新人や後輩に、先輩や上司が指導・サポートをしにくい面があります。

防止策 ⇒ 定期的なミーティングなど、経験の浅い社員とベテランの社員が常にコミュニケーションを取れる体制を整える必要があります。

雑談が増える

部署や地位を越えて社員同士のコミュニケーションが増えることはフリーアドレスのメリットですが、反面、雑談の増加で生産性が落ちることもあります。周りの会話が気になり、業務に集中できないこともあるでしょう。

防止策 ⇒ 集中して業務を行いたい場合に使える隔離スペースがあるとよいでしょう。

書類の管理に困る

個人席がなくなると、保管している書類も席を移動するたびに持ち歩くことになり、面倒なだけでなく紛失のリスクもあります。

防止策 ⇒ 書類はデータ化し、クラウドで共有するなどペーパーレス化しましょう。そうすれば、社外で働く社員も資料のチェックや報告書の作成ができます。

セキュリティ面に不安がある

社員数の多い企業では、フリーアドレスになることで、知らない顔ぶれの中で仕事をすることもあり、社内の人と社外の人の区別が難しいこともあります。

防止策 ⇒ 入退室の管理や身分証の携帯、機密情報の漏洩防止などのセキュリティ対策が欠かせません。

席が固定的になる

せっかくフリーアドレスを導入しても、いつも同じ席に座る人が出てきます。

防止策 ⇒ フリーアドレスの定着を図るには、毎日違う席に座ることを積極的に推奨しましょう。また、どの席に座っても問題なく作業ができるようにオフィス環境を整備することも大切です。

企業のスタイルや業種などにより、フリーアドレスの向き不向きは異なります。

例えば、もともとモバイルワークを中心に業務が円滑に進んでいた企業は、資料のデータ化やクラウド共有、セキュリティ対策など、必要な環境がすでに整備されているため、フリーアドレスに向いていると言えます。

一方、ペーパーレス化ができない企業や、個人情報など機密性の高いデータを扱う企業にとっては、セキュリティ面が壁となり、フリーアドレスの導入は難しいかもしれません。

まずは、自社や部署の業務がフリーアドレスに向いているのかどうかを見極めることが大切です。

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