仕事を知る

「電気を安全に」
製品開発ストーリー

Project Story

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Introduction 根底にあるのは、
「電気を安全に扱う」という
強い思い

火花放電による火災を未然に防ぐ。その思いから生まれたのが、日東工業の「スパーテクト」。研究・開発・検証を経て形になったこの製品には、若手とベテラン、それぞれの視点と努力が詰まっています。チームで挑んだ防災の開発ストーリーを、4人の社員が語ります。

MEMBER

研究

技術研究部
研究グループ
2020年入社
H.A.

研究

技術研究部
研究グループ
2015年入社
T.S.

開発

電子機器開発部
第二グループ
2009年入社
H.I.

開発

電子機器開発部
第二グループ
2020年入社
K.A.

PRODUCT

放電検出ユニット
「スパーテクト」とは?

電気を安全に扱うことは、当たり前のようで、実はとても繊細なこと。日東工業は時代とともに多様化する電気火災に向き合い、防災技術の研究を続けています。その成果のひとつが、2020年に発売を開始した、放電検出ユニット「スパーテクト」。コンセントや配線内で発生する火花放電を検出し、火災の兆候を早期に知らせることができる、業界初の製品です。配線の老朽化やホコリ、湿気など、目が届きにくいリスクに気づくことができる“もうひとつの目”として、さまざまな現場での導入が進んでいます。

Theme01

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電気火災を防ぐために、
私たちができることを

H.I. スパーテクトは日東工業独自の検出方法で火花放電を検知し、トラッキングやケーブル断線による発火を未然に防止できる製品です。電気火災による人命や財産の損失を防ぎ、電気を安全・安心に使っていただくことが目的です。

T.S. その電気火災は、人目につきにくい場所で発生することが多いんです。例えば、トラッキングはコンセントに埃が溜まることによって起こる現象。長い時間をかけて進行するので、発見が難しい。でも、スパーテクトはその初期の放電を検出できる点に意義があると思います。

H.A. 日東工業の主力製品と言えば、高圧受電設備や分電盤などが挙げられますが、どの製品も根底には「電気を安全に扱う」という思いがありますね。

H.I. この製品は、T.S.さんたちの技術研究部が進めていた火花放電の検出技術が確立されたことを受けて、私が所属する電子機器開発部で開発に着手したものです。私の担当は、研究からの引継ぎをもとに仕様検討から製品化までを行うこと。部署の垣根を越えたメンバーが集まって、一緒にプロジェクトを進めていきました。

T.S. 研究段階では、放電ノイズと家電ノイズの違いを見分けるのがとても難しかったですね。誤検出の可能性がある家電を使用しては、波形とにらめっこする日々が続きました。放電ノイズの特性を発見できたときは、感動を覚えるほどでした。

Theme02

Theme 02

製品として形にするために重ねた
試行錯誤

H.A. 私の担当は、火花放電のノイズの周波数や波形、再現性などを調べて、検出ロジックを作成すること。データ処理プログラムで放電ノイズの特徴を明確にすることで、スパーテクトが検出すべき信号を絞り込むことができたんです。誤検出といった問題や苦労も多く、かなりの時間を費やしたことを覚えています。

T.S. 何の進展のない一週間もあったね。当時、社員宅に試作を設置して、トラッキングを意図的に発生させる実証実験を繰り返したんです。検出できる条件や場所を確かめるために、週に何度も現場に出向いて検証を繰り返していました。

H.A. そうですね、本当に何度も行きましたね。このとき、私は配属されてすぐの1年目。大学では分子素材工学を専攻していたので、電気の専門知識はまったくない状態からのスタートでした。検出ロジックの決定と誤検出の削減に貢献できたことは、入社したばかりの私にとって大きな達成感がありました。

H.I. スパーテクトには、参考にできる規格や類似製品がありませんでした。だからこそ、自分たちで仕様を考え、設置環境ごとのノイズや放電の違いを一つひとつ調査していく必要があったんです。みんなで協力して検証を重ねた時間は、とても印象に残っています。ただ、検証が終われば、製品開発が終わるわけではありません。K.A.さんの活躍が目立ったのは、この頃からですね。

K.A. 検証や開発はもちろん、どうアピールすればこの製品の良さをお客様に理解していただけるかという課題もあったんです。そのため、私は放電ノイズを模擬的に発生できる装置を製作。展示会に参加した際、その装置を使った実演を通して、スパーテクト設置の重要性について分かりやすく見てもらいました。

Theme03

Theme 03

この製品が守るもの、
そしてこれから

K.A. 日東工業の製品の特徴は、その品質の高さだと思います。検証や分析で活用されるシミュレーション設備では、他社ではなかなか見られないレベルの試験が可能。製品開発時だけでなく、保守対応時にもこの設備で性能評価を行っているので、つねに品質の高い製品を提供し続けられています。スパーテクトの品質も、こうした検証に裏付けられていると思います。

H.I. 私もそう思います。スパーテクトはいま、松本城や善光寺、札幌時計台などに導入され、国宝や文化財の保護にも役立っています。畜舎や工場でも導入されていて、事業継続にも貢献できているのではないかと思います。これからもブラッシュアップを続け、導入してよかったと言っていただける製品をつくりたいですね。

K.A. 私が意識しているのは、どれだけ高機能や多機能の製品だとしても、実際に使用するのはお客様ということ。組み立ての工程が多くて作業性が低かったり、使い方がわからなかったりすれば、製品の価値はありません。分かりやすく、直感的に良い製品だと感じてもらえることを心がけて開発しています。

T.S. スパーテクトは研究から生まれた初めての製品です。これをきっかけに、今後も2つ、3つと研究発の製品を世の中に出していけたらと考えています。最近は若手社員が研究グループに入ることも増えてきました。もっと経験を積んで、これから入社してくる人たちを支えていけるようになりたいと思っています。「研究ってすごいんだ」と伝えたいですからね。

H.A. 確かに。伝えるのも私たちの役割ですね。いまの私は、スパーテクトの担当から離れ、材料系の研究に従事しています。スパーテクト開発で培った困難な課題にも粘り強く挑む姿勢は、現在の研究活動にも強く生かされていると思います。私のように電気の専門知識がゼロからのスタートでも、探究心を持って、学び続けることで確実に成長できます。これからも、安全につながるものづくりを追求していきたいです。