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BASIC KNOWLEDGE

よくわかる!EV充電の基礎知識EV充電のしくみ

今後急速に高まることが予想されているEV(電気自動車)化ですが、
日本ではまだまだ馴染みが薄く、EV充電のしくみについてあまり知られていないのが実情です。
「EV充電の基礎知識」では、EV充電のしくみや対応車種、補助金についてなど、皆様が気になる知識や情報をお伝えします。

CONTENTS

EV充電のしくみEV充電のしくみ

① EV充電の基本

クルマの充電口は2つ

主要な国内EV・PHVの充電口(メーカーによって充電ポート、インレットなどとも呼びます)は2つ用意されており、小さい方が普通充電用で、大きい方が急速充電用です。電池容量が小さいPHVや小型EVの一部車種は普通充電用の充電口しか備えていない車種もあります。逆にEVバスには急速充電口しか備えていない車両もあります。

  • Honda e

    Honda e

  • アウトランダーPHEV

    アウトランダーPHEV

  • 日産リーフ

    日産リーフ

海外製EVには一部例外も

海外EVについても、日本で販売する際に日本の充電器で充電ができるように充電口を日本用に換装したり、アダプターが用意されたりしています。日本でも多く売れているテスラは例外的にオリジナル形状の充電口が1つだけとなっており、この1つで普通充電と急速充電の両方に対応しています。テスラ専用の充電器を使う場合は、そのまま充電できますが、日本規格の充電器で充電するにはアダプターを介して充電します。アダプターは普通充電用と急速充電用の2種類があります。逆に言うと、テスラの充電器はテスラ車専用であり、他のEVには充電することができません。

普通と急速が1つのポートで充電可能

  • テスラ

    テスラ

  • テスラ

    日本の充電器で充電するには専用のアダプターを使います。アダプターは急速用と普通用の2種類。

② 充電設備いろいろ

大きく分けて「普通充電」と「急速充電」があります

この表は横へスクロールします。→

普通充電 急速充電 V2H
充電口
コネクター図
  • コネクター規格
  • • SAE J1772
  • • IEC62196-2 type1
コネクター図

CHAdeMO規格

充電設備 コンセントコンセント 普通充電器普通充電器 急速充電器急速充電器 V2H(充放電器)V2H(充放電器)

当社では急速充電器およびV2Hの取り扱いはありません。

充電器のコネクターと車両の充電口(ポート)は規格に基づいており、基本的には国内で販売されているクルマは充電可能です。
(テスラなど一部の車種にはアダプターが必要です)

【普通充電】コンセント

車両に付属あるいはオプションで購入する車載充電ケーブルを使って充電します。

コンセント 充電イメージ
コンセント 収納イメージ

ケーブルの片側コネクターをクルマにさし込み、もう片側のプラグをコンセントにさし込んで充電します。コンセントは「EV・PHEV充電用」という専用のものを使います。車載充電ケーブルは車種ごとに異なる専用品で、別で買うと大体5万円からと高価です。「車載充電ケーブル」はメーカーによって呼称がまちまちで、「充電器」と呼称しているメーカーもあります。また、付属ではなく、オプションの場合もあります。

コンセントを使った関連製品

一見充電器のように見えるコンセント盤などもあります。コンセント関連製品には、車載充電ケーブルを収納して施錠することができるコンセント盤や、スマートにまとめるアシストパーツもあります。

【普通充電】充電器

設備に充電ケーブルとコネクターが付いており、それを車両にさし込んで充電します。

充電器 充電イメージ

車載充電ケーブルは使いません。原則、国内販売されているどのEV・PHVでも充電が可能です。
テスラなど⼀部⾞種はコネクターを介して充電します。よく「〇〇というEVに対応していますか」とご質問を頂きますが「原則として充電できます」と答えています。「原則として」と表現しているのは、ごく稀に⽇本仕様向けになっていないマイナーな海外製EVや、メーカーが充電⽅法を限定している超⼩型モビリティなどが存在するためです。

【急速充電】急速充電器

普通充電器と同じく、設備の方に充電ケーブルとコネクターが付いており、それを車両にさし込んで充電します。
急速充電口を備えたEV・PHVに充電が可能です。(テスラなど一部車種はコネクターを介して充電します) CHAdeMO(チャデモ)というのは、この急速充電器の規格のことを指します。日本の急速充電器は、テスラ等の特定車種専用のものを除いて、CHAdeMOのみです。その名の通り、普通に比べて充電スピードが速い充電器です。当社では急速充電器の取り扱いはありません。

【V2H】V2H(充放電器)

V2HとはVehicle to Homeの略で充電とは逆にクルマのバッテリーから家に電気を供給できるものです。充電も放電もできるため、充放電器といいます。CHAdeMO規格のため、充電口は急速用を使いますが、充電スピードは「急速」ではなく、6.0kW普通充電器と同程度です。当社ではV2Hの取り扱いはありません。

③ 充電モード

MODE(モード)という分類があり、設備と制御方式によってMODE1~4があります

普通充電器のことをMODE3(モードスリー)充電器とも呼びます。MODE1は一部の旧車種(初期型i-MiEV等)に限られます。

充電モード イメージ図充電モード イメージ図

当社では急速充電器およびV2Hの取り扱いはありません。

④ 充電シーンと充電器の特性

シーンによって適切な充電方法があります

「普通充電器」は充電に時間はかかりますが、急速充電器に比べて設備導入費用の負担が少なく、住宅や事務所や宿泊施設など長時間駐車する場所での日々の基礎的な充電に適しています。「急速充電器」は、より高い電圧で電流を流すことで、一般的に30分程度で約80%まで充電可能となっており、出先での継ぎ足し充電や緊急充電に適しています。「充電シーン」は以下の3つに分類でき、それぞれに適切な充電器を整備することが重要です。

EV充電器の適正 EV充電器の適正

急速充電器は当社では取り扱いしていません。

⑤ 充電スピード

充電設備の出力が目安になります

出力電力の数値が大きいほど充電スピードは速くなります。
⼀般的なコンセント(200V)と普通充電器の出力は同じく3.2kW。これは1時間の充電で3.2kWhの電力量をバッテリーにためることができることを示します。仮にバッテリー容量40kWhのEV(日産LEAFのスタンダードモデル相当)をゼロから満充電にするには、 40kWh÷3.2kW=12.5時間バッテリー容量 ÷ 出力 = 充電に必要な時間

充電器 充電スピード目安(出力電力)
100Vコンセント 0.6~1.2kW
200Vコンセント(16A)
一般的な普通充電器
3.2kW
高出力普通充電器 6.0kW
一般的な急速充電器 50kW~

と単純計算で必要時間が計算できます。「満充電に12時間半かかる」というと、そんなに掛かるの?と驚かれますが、1日40kmの走行分の充電に必要な充電時間はというと、

40km走行に必要な電力量を充電するためにかかる時間目安(電費7km/kWhの場合)
●3.2kW充電で約2時間
●高出力型の6.0kW普通充電器なら約1時間

ただし、2倍速の6.0kW 普通充電を⾏うには、クルマ側がこれに対応している必要があります。今後、6.0kW充電対応車が増えていくと思われますので、業務車両の充電や目的地充電用に設置されるなら6.0kWをお勧めします。充電設備はクルマと通信してクルマ側の要求に応じて適切な出⼒で充電しますので、クルマが6.0kW充電に対応していなくても大は小を兼ね、6.0kW充電器で充電は可能です。

⑥ 電費

ガソリン車の燃費に相当するのが「電費」です

毎日通勤で車を使った時の「ガソリン代」と「電気代」の比較です。仮定条件での目安です。

通勤片道20km × 20日(=800km/月= 9600km/年)を使用する場合の比較

この表は横へスクロールします。→

月額コスト エネルギー消費率 エネルギー単価
ガソリン車 8,570円 燃費:14km/ℓ 150円/ℓ
EV 4,000円 電費:7km/kWh※ 35円/kWh

※乗用車型EVの多くは1kWhで6~7km程度走れます。これを電費と呼びます。電費の単位には燃費と比較しやすい「km/kWh」が使われることが多いですが、逆数の「Wh/km」も使われます。この場合、7km/kWh=143 Wh/kmとなります。1時間の普通充電(3.2kWh)で約20km走れます。6.0kW普通充電では1時間の充電で約40km走ることができます。

⑦ 交流充電と直流充電

日本では、「普通」と「急速」というように充電スピードの違いに焦点を当てて区別していますが、両者の技術的な大きな違いは「交流充電と直流充電」です。普通充電では交流を、急速充電では直流を用いて充電しています。

交流充電と直流充電

普通充電器は交流の電源を入れて、そのまま交流でクルマに送り込み、車載充電器で直流に変換してからバッテリーに充電しています。一方、急速充電器は交流を入れて、充電器の中で高電圧の直流に変換してクルマに送り、そのままバッテリーに充電しています。このことが両者の設備サイズや価格にあらわれており、コンパクトな普通充電器に対して、急速充電器は直流への変換装置をはじめ様々なインバーター、コンバーターを搭載しているため、装置自体が大きく、高価です。また、普通充電では通常、充電電流は頻繁には変化しませんが、急速充電ではバッテリーや設備の保護のため、フル出力で充電できる時間は限られ、一般には充電率が上がっていけば充電電流を下げる制御がされています。

⑧ 急速ばかりが充電器ではない

それぞれにメリット・デメリットがあります

EV充電はガソリン給油と比較されることが多く、給油並みのスピードを実現する「超急速充電」が求められがちです。
しかしながら、ガソリンスタンドに行かなくても、駐車場に止めているときに充電できる「普通充電」にも様々なメリットがあります。

【 「もっと早く!」には大きなコストと負荷がかかる 】

「給油」は所要時間数分でOK。

ガソリン車への給油画像

ガソリン車への給油

=

「超急速充電」で
給油並みに早く充電したい!

EVへの充電

ただし

電気設備の増大や、電気契約変更が必要。

超急速充電器

キュービクル

電力系統

【 普通充電のメリット 】

設備に大きな費用が掛からない

停めている長い時間を使って充電電力の平準化や調整ができる

電力に余裕がある時間帯を選んで充電できる

EV充電は、「普通充電」と「急速充電」の上手な併用がおすすめです。

EV充電の基本的な考えかた

低コスト・低負荷 安心感

⑨ 充電設備の費用・特性

費用・メリット・デメリット比較表

この表は横へスクロールします。→

コンセント
コンセント
普通充電器
普通充電器
急速充電器
急速充電器
充電シーン クルマを使っていない時間に駐車場で比較的長時間(数時間以上) 立ち寄り場所で短時間継ぎ足し(30分以下)
充電設備1台価格 数千円 15〜60万円
パブリックモデルは高価
数百万円
バックヤードの
電気設備や工事費※
数十万円 数十万円
通信に有線LANを使うものは
さらに工事費増
数百万円〜
キュービクルの増設や新設が
必要な場合が多い
合計導入費用※ 20~50万円 30~100万円 500~1000万円超
メリット 充電設備がとても安い 安い
エネマネや2倍速充電が
できるタイプあり
充電時間が短い
デメリット 車載の充電ケーブルを使わないと
いけない、施錠難しい
(盗電・ケーブル盗難)
コンセントに比べると
設備価格が高い
導入費用がとても高額

※工事費や合計導入費用は一般社団法人次世代自動車振興センター(CEV)の資料を参考にした。

日東工業は多様なニーズに応じたEV普通充電器をご用意しています。詳しくは商品をご覧ください。